プラナカンとも呼ばれるババニョニャ民族の料理
19世紀以前に中国大陸から東西交易のためマレーシアに渡ってきた中国人ビジネスマン(華僑)が、現地でマレーシア人女性と結婚し混血により産まれた子孫、男性を「ババ」、女性を「ニョニャ」と呼びます。「プラナカン文化」とも表現される「ババ・ニョニャ」民族の生活習慣を守って生活しています。
宗教、親族とのつきあい等は父系の文化「中華」を継承していますが、食生活では母系の「マレー」伝統の香辛料を使った料理を取り入れています。一般的に女性が調理する習慣から「ニョニャ料理」と呼ばれています。
中華料理をベースにマレーシアの香辛料やハーブを巧に使った料理。見た目は中華なんだけど、食べるとスパイシーなのがニョニャ料理の特徴です。初めて食べても、どこか懐かしいのはそのルーツにあるのだと思います。
ババ・ニョニャ民族はマラッカが発祥の地ですが、香辛料貿易の寄港地であったペナン、シンガポールにも数多くのババニョニャ民族が今でも伝統を守りながら生活しています。
今回ご紹介するブルドッグカフェは、マラッカのヒーレンストリートにある「ババニョニャ民族博物館」の創業者から数えて5代目にあたる子孫が経営している正統派ババ・ニョニャレストランカフェです。
Bulldog Cafe:ブルドッグカフェはFlavours restaurant:フレーヴァーズ・レストランに店名変更されましたが、新規リニューアルオープンして"Bulldog Cafe"の名前に戻りました。オーナーも変わっていません。
週末の金曜・土曜ライブは必見@
週末の金曜日と土曜日限定開催のライブ演奏は必見!若きオーナー、ジーン・チャン氏が叩くドラムは魂に響きます。ボーカルの切ない歌声は魂を揺さぶる。ライブチャージはビールを飲むだけ。
そのビールの価格は近隣のホテルの半額程度のローカル値段。こりゃ行くしかない。レストランの営業。キッチンクローズの午後9時30分過ぎからライブが始まります。
ニョニャ料理 ブルドッグカフェ(Bulldog Cafe)
下の写真はパイティーと呼ばれるニョニャ料理の前菜メニュー。米の粉を練り込み型で形を整えカリッと油で揚げた器が山高帽子に似ているので「トップハット」とも呼ばれる定番オードブルです。
切り干しダイコンに似たメインの具は「カブ」を甘辛く煮込んだモノです。トッピングには錦糸タマゴ、タマネギの唐揚げ、中華パセリそしてチリのカケラを使います。おつまみに、お茶菓子としても召し上がっていただけます。
ポピア(下の写真)は、マレー風生春巻き。マラッカで多く売られているポピアは米の皮(ライスペーパー)をベースに使いますが、ニョニャ・ポピアの皮はタマゴを使った小麦粉のパンケーキを使います。ふんわりしていて、柔らかい感触が特徴です。
野菜をふんだんに使った生春巻きは、ヘルシーなスナック。ちょっと小腹が空いた時にオススメしたい一品です。ニョニャポピアにはチリソースをベースに塗ってから巻いてしまいますので、激辛料理が苦手な方は「チリ抜きで!」とオーダーの際にチリの有無を伝えるようにして下さい。
ニョニャ風焼きかまぼこ ニョニャ・オタオタ
オタオタといえば、隣のジョホール州、ムアのオタオタが有名ですがニョニャオタオタは味も製法も異なります。マレーのオタオタは魚のすり身に直接チリや香辛料を練り込んでから焼き上げます。ニョニャ・オタオタは白身魚の練り物(はんぺん)の上にココナッツをベースにした特製チリをたっぷりのせ葉に包んで焼き上げます。
日本風に解説するならニョニャ風「焼きカマボコ」と称するのが適切だと思います。ちょっと辛いお料理ですが、ビールとの相性は抜群です。他のお店では扱っていないブルドッグカフェ特製のニョニャ・オタオタは超オススメの逸品です。
ニョニャメニューの麺料理とごはん物
ココナッツ風味のカレーラーメン「ラクサ」もニョニャ風はマレー系や中華系とは異なります。サンバル・チリで辛みを調節するマレー系のラクサとは違い、スープにあらかじめ10を越えるスパイスが織りこまれています。ブルドッグカフェのニョニャ・ラクサは秘伝のスープがメチャ美味です。
麺は、日本の焼きそばのようなイエローミー、きしめんのようなクェテヤオ、ビーフンを選んでご注文下さい。筆者のオススメはイエローミーとクェティヤオのミックス「クェティヤオ・ミー・ラクサ」です。同じスープを使ったカレー(オタオタ・ベランガ)もオススメ!
ランチタイムのセットメニューの一例です。下の写真はニョニャ・カリー・アヤム(チキンカレー)が白いご飯と、ドリンクがセットで税・差込みで350円程度です。
下の写真は、イカン・ゴレン・チリ・ガラムとマレー語で表現する、ニョニャ料理のごちそうです。白身魚をカリッとするまで素揚げにして、ニョニャ料理のサンバルチリソースを油で炒めて甘辛く仕上げてトッピングします。
辛さが苦手な方なら、「チリを別皿で持ってきてください」とお店の人に注文するとよいでしょう。おっかなびっくり、チリソースを少し付けながら食べてみると辛さの調整がききます。
下の写真は、イカンビリスと呼ばれるダシじゃこの唐揚げを小さいタマネギとチリ(ナマ唐辛子)を刻んで一緒に炒めたおつまみ。題してイカンビリス・チリパディ。ピリ辛ですが、やみつき度の高い肴です。
ブルドッグカフェは、マラッカ一丁目のほぼ中心、ルネッサンスホテルから徒歩1分。オーキッドホテルの目の前、マジェスティックホテルから徒歩でも3分半の場所にあります。
午前11時半から午後2時半までのランチ営業。午後6時半から午後9時までのディナー営業。日曜日・祝日は休業です。中華新年の前後は1週間程度の連休になります。日本語で書かれたメニューもあります。
ドリンク別会計で普通の食事ならひとり20リンギット(600円)程度。リッチにオーダーしてもひとり1500円を目安にしておくとよいでしょう。ビールもルネッサンスホテルのラウンジで飲む料金の三分の一以下の料金設定ですから、ホテルに長期滞在している白人さんも常連客となりご贔屓にされています。
Tony'sNetを見てきた!日本人のTonyさんから聞いてきたとお店で言うと、ナニか良いことあるかも。一時休業していた時期もありましたが、パワーアップしてリニューアルオープンしています。
ニョニャ料理 ブルドッグカフェ Bulldog Cafeの地図
Bulldog Cafe(ブルドッグカフェ)旧店名:Flavours Restaurant
145 Jalan Bendahara, 75100 Melaka
Tel +6016 303 3970 (Mr. Gene)
ランチ11:30~14:30 ディナー18:30~21:30
週末限定Live 金曜日・土曜日 21:30~深夜までライブ演奏
イチオシ名店シリーズ TOPに戻る
マラッカガイド TOPに戻る