マレーシアのロードマップ
伊能忠敬氏がその命をかけて完成させた日本の地図。その偉業を受け継ぐ日本人にとって地図は位置を示したり、目的地にたどり着くための情報として活用しています。しかし、マレーシアでは地図を頼りにあっちへ行ったりこっちに来たりするのは至難の業です。理由は大きく分けて2つあると考えられます。
地図文化が一般庶民レベルに定着していない。新設された道路や、改訂された地名の更新が非常に遅いので地図上ではジャングルやココナッツ畑になっているのに高速鉄道が走っていたり、片側3車線もある立派な一般道路だったりします。地図文化が定着していないから、需要が少ない。需要が少ないから地図の更新にかける費用が捻出できない。これが理由の第一要素。
第2に、KL(クアラルンプール)やジョホールのごく一部の大都会を除いて道路がいたってシンプルで道に迷うことなく通過したり目的の町まで移動できるのです。たとえば、田舎町(カンポン)の雑貨屋さんに「ジャスマンさんのお家はどこですか?」と聞くと『あぁー、ジャスマンさんの家ならまっすぐ行って3本目の道を右に折れて突き当たりを左に行った4件目ですよ』とカーナビみたいな説明をしてくれます。
実際その通りに走ればたどり着けるのです。アタマの中に格納されているイメージマップが備わっているから、いわゆる二次元的な地図に頼らない文化が定着しているようです。いつも不満を抱いていたのですが、遂に優れモノの地図に出会いました。それも、無料版です。
偶然手に入った『優れモノの地図』には英語表記なのですがマレー半島の各州の説明書きが添えられています。ペラ、ケダ、ペナン、ペラ、セランゴール、クアラルンプール行政特別区、ネグリ・センビラン、マラッカ、クアンタン、トレンガヌ、パハン、ジョホール・バル。数えてみると12州がキチンと網羅されています。
追記:このロードマップに関するページの初版版は2004年に書きました。当時は、Google Mapやケータイの3Gもありませんでした。
2016年現在、Google社の地図は、正しい地図情報にUpdateされているので安心して使えます。また、3G携帯のアプリをダウンロードすればカーナビも英語版アナウンスで目的地まで誘導してくれます。