真夏のクリスマス
- 北半球で暮らす地球人の常識のひとつ、クリスマスの時期は冬である。サンタクロースは雪の上をトナカイで疾走し世界の子供達にプレゼントを配る。12月は夏となる南半球で暮らす人たちは、季節が逆なのだが地球人の多数決では負けてしまうだろう。
- マラッカは赤道にほど近い年中真夏の気候なのでクリスマスも当然、暑い夏なのだ。この時期マラッカのポルトガル村は毎年すごいことになる。各家庭が競い合うように電飾するので、村全体がクリスマスのイルミネーション状態になってしまうのでR。
- ポルトガル村で暮らすオリジナルのユーラシアンは初代植民地支配者であるポルトガル人達の末裔。日本で見かけるような、結婚式だけとかクリスマス時期限定のなんちゃってキリスト教信者ではない。 生粋のカソリック系クリスチャンなのだ。
- したがって、このクリスマスイルミネーションは、ブームではない。毎年コツコツと進化を遂げながら、毎年ゆっくり派手さを盛り上げてきている。噂を聞きつけた見物客も毎年増加して、ポルトガル村へつながる周辺道路の渋滞は激しさを増している。
- 毎年12月初旬から1月初旬までイルミネーションは続く。テーマパークじゃないので入場は無料。日没から1~2時間後に点灯され、見頃は午後9~10時前後。真夜中でも子供さんが散歩している風景はマレーシアではごく当たり前の風景となっている。
- そして、キリスト教信者だけではなく仏教徒の中国系マレーシア人も、ヒンドゥー教信者も、イスラム教徒も見物客として、このポルトガル村で肩を並べて散策している。多民族国家であるマレーシアならではの光景といえるだろう。
- きな臭いテロや、宗教対立は微塵も感じない。筆者がマレーシアを誇りに思う「異なる宗教の共生」を感じる瞬間だ。融合や迎合ではなく、それぞれの宗教観に畏敬の念を懐き不可侵のスタンスを貫く「共生」こそ、平和の基本なのだと思う。
マラッカのポルトガル村クリスマスイルミネーションにて