黄昏れることもなく、今夜のおかずを狙う釣り師と夕陽
- みごとな、夕焼け空だった。お父さんと一緒に釣りを楽しんでいる少年の目にもこの夕陽は印象深い想い出の1ページに加えられるだろう。マラッカの埋め立て地区、コタラクサマナの海岸部をパンタイ・アイオンマラッカ海岸と呼んでいる。
- 夕暮れ時には、デート中のカップルや、外国からのバックパッカーさんたちや海風でカイトを飛翔させている凧揚げ倶楽部のメンバーや、なんちゃって暴走族みたいなやたらうるさいだけのモトライダーに混じって、釣り人も少なくない。
- マレー系マレー人の釣り人は、鶏肉のぶつ切りとか、どこから持ってくるのかパームオイルの種をエサに使う。中華系マレーシア人はミミズやゴカイのようなワーム系のエサや、ブクブク(酸素ポンプ付き)のバケツ持参で生き海老を使って釣っている。
- 筆者は、夕陽を撮影しに来ているので、釣り人の一挙手一投足を見ているわけではないが釣れた瞬間を見たことがない。夕暮れ時にはだいたいこの海岸にいるので、滞在時間は長い方だと思うが釣れたところを見ていないのだから平均釣果は低そうだ。
- 何が釣れるのか?聞いてみたらナマズ、アジがよく釣れるらしい。極まれに、アジが釣れて、リールを巻いているとガツンと引き込まれそうになるほどのアタリがあり、苦労して釣り上げてみたら座布団サイズのエイが釣れるラッキーなこともあるそうだ。
- 日本では、エイのヒレぐらいしかイメージがわかないかもしれないが、マラッカでエイといえば、イカン・パリと呼ぶ高級魚なのだ。白身系の柔らかい魚肉は、アッサムペダスという酸味のある激辛カレーにピッタリ。エイは重宝されるのだ。
- さて、話を元に戻そう。雲が多すぎると曇り空で夕焼けは見れない。逆に雲ひとつない快晴だと面白みのない夕陽となる。この日は、適度な雲と青空が混在するみごとな夕陽だった。だけど、頭の中を駆け巡るのは今晩のメニュー。さて、何を食べようか?
パンタイ・アイオンマラッカ海岸にて