マラッカ海峡に沈む夕陽を撮影するための基本テクニック
- マラッカ海峡に沈む夕陽について質問されることがある。どこから見るのが一番キレイだろうか?何時頃がベストだろう?カメラのセッティングは?などなど、土地勘に関する質問だったり、日没時間などの暦的な質問、それに撮影技術などの質問に要約される。
- ご存じのように、日本を含む北回帰線(北緯21.5度)以上の緯度(日本の基準は明石天文台で北緯35度)よりも北に位置する街では、1年を通じて太陽は南に黄道を描き日の出日の入りを繰り返す。しかし、マラッカは北緯2度とほぼ赤道直下に位置する。
- このため、毎年3月下旬から9月中旬まで太陽の黄道は北にある。つまり、午後1時頃マラッカでは北側の窓から日が差すのだ。日本ではあり得ない自然現象なのだ。また、9月下旬から翌年3月中旬までは太陽は南に位置して、南側の窓から陽が差し込んでくる。
- つまり、時期によって撮影に適したポイントは移動するのだ。1年を通じて西側に障害物となるビルや電柱がないポイントとしては、プラウマラッカのモスクの近辺が推薦できるがそればっかりじゃ味気ない。帆船を使った海洋博物館もオススメできる。
- スタダイス広場のセントポールヒルに登ってマラッカ海峡を一望できる展望台からの撮影も毎年11月初旬から1月中旬までなら海峡に沈む夕陽が狙える。また、新しく建設中のビルにもコンパスを片手に西側の壁面や屋上を研究してみるのも良いだろう。
- 土地勘に関する答えが長くなってしまったが、次の時間的なことについて。年間を通じて20分ほどしか差が生じないため、午後7時を目安にしておけば良い。15分ぐらい前にはポイントに到着して周囲を歩いて、今日はここ!と決めたらセッティングをはじめよう。
- たまに、撮影現場で絞りはいくつですか?シャッタースピードはいくつですか?と大型の一眼レフを手にした同志から質問されるが、笑止千万。そういうことを質問しなければならないシロウトさんならば、オート(自動制御モード)に合わせて撮ればよろしい。
- 一点だけ、注意させていただくならばISOの感度を100とか200、もしくは50という低めの設定にしておくことだろう。それもわからない方は、オートにしたままで撮れば良い。そして、オート撮影してその写真が気に入ったら撮影続行!チャンスを逃さずシャッターを押しまくろう!。日没のタイミングなんて5分程度なんだから時間との勝負。
- 目の前には、オレンジ色の美しい夕陽なのに、薄明るい青空みたいな色の写真しか撮れないと嘆くのならば・・・
- ①カメラに付いている露出補正を使って見るべし。
+プラス-マイナスと設定するのだが、夕陽の場合はマイナス-0.7を基本に-03とか-1.0で撮り比べてみよう。 - ②ややグレードの高いカメラならば、色彩の感度を上げてビビットに仕上げてみよう。
初期設定の画面menuに設定のヒントがあるはず。マニュアルを読みながら設定すべし。 - ③もしも、カメラに夕陽撮影モードがあれば、そいつを使おう。
カメラによる高機能な設定をつかってみると、さすがやな~と思える写真が撮れることもある。この時のJEPGのデータを解析すると、シャッタースピード・絞り・そしてホワイトバランスのセッティングなどのヒントが隠されているのでR。 - こうした試行錯誤の末に、あぁええ彩撮れた!と満足できれば、それがあなたの夕陽撮影のセッティングとなるのだ。微調整は必要だが、いちど身につけた夕陽のセッティングは世界各地で応用が利くはずだ。成功を祈る!
- 上記の写真は絞り:f3.5、露出:1/160秒、ISO-100、50mm(35mm換算)
パンタイ・アイ・オブ・マラッカにて