「ワン・マレーシア」とは多民族の融和を願う合い言葉
- 2009年4月に任命されたマレーシアのナジブ首相が、昨年8月の独立記念日に向けて発表したスローガン「ワン・マレーシア」(「1 Malaysia」と表記)。マレー語読みで「サトゥ・マレーシア」と読んでもかまわない。英語、マレー語いずれも正解なのだ。
- 1991年にマハティール元首相が提唱した西暦2020年に先進国の仲間入りを目指す国家ビジョン「ワワサン2020」を実現するためのキャッチフレーズのひとつ。過去には「マレーシア・ボレッ」というのもあった。
- ワンマレーシアには「一つのマレーシアとして発展しよう」との願いがこめられている。一つのマレーシアとは、多民族それぞれの多様性を尊重しながら調和を願い、国家へのロイヤルティ向上を意図している。
- 民族間の不公平な行政に対して不満が高まっている国民をワン・マレーシアの合い言葉で無理やりまとめようとしているようにもとれる。政府与党はそれほどの危機感を持っているのかもしれない。
- 国民の反応はさまざまだが、大手企業が相乗りして、広告に「1 Malaysia」を取り入れているので、否応なしに目に飛び込んでくる。今年の独立記念日でも最大のテーマに掲げられ民族融和を目指している。
マラッカ郊外ゴールデンビーチにあるダタラン・ワンマレーシアにて