宮本三郎画伯作 山下奉文陸軍大将vsパーシバル極東軍司令官対決之図
- 石川県小松市生まれの昭和を代表する洋画家「宮本三郎」画伯が、戦時中綿密な取材を行い完成させた「山下・パーシバル両司令官会見図」の複写がマラッカの独立記念博物館に展示されている。
- 山下奉文(ともゆき)陸軍大将は「マレーの虎」と呼ばれる旧日本陸軍大将。1942年2月15日にシンガポールを攻略。イギリス司令官のパーシバル中将に降伏を迫り「イエスかノーか」と迫った逸話が残っている。
- 戦意高揚のためのプロバガンダ目的で絵画の依頼を受けたのが当時従軍画家だった宮本三郎画伯。宮本画伯はこの会見に同席していない。制作を請けた後何度も両司令官をスケッチして取材したらしい。
- 写真では表現できない臨場感のある絵画である。両司令官の立場と国の威信が伝わってくる。優れた絵画であることは間違いないが、宮本画伯の戦後の作風を見るとこの絵画作品は微妙な扱いになる。
- 国家の戦意高揚のため、従軍画家として部隊と共に戦地で「戦争の功罪」を見続け、何か得るものがあったのだろうか、戦後の作品は日本の四季、花、裸婦をモチーフに作風も写実からイメージに変化する。
終戦記念日にマレーシア独立記念博物館にて