マレーシア・ボレッ Malaysia BOLEH
- あまり知られていないことですが、マレーシアには選抜徴兵制があります。お隣のシンガポールのような実戦を想定したビシビシの兵役義務ではありませんが、2004年より試験的にスタートしました。
- 【追記】2017年現在、政府の方針で選抜徴兵制度は実施されていません。
- マレーシア国民には身分を証明する(Identity Card)が発行されています。個人の氏名や生年月日などの個人データを政府のコンピュータが管理しています。いわゆる国民背番号制みたいなモノです。
- 満18歳に達する男女を対象にコンピュータが無作為に抽出し(現在20%)、選ばれた若者には召集令状ならぬ「ナショナルサービス」への招集がかかります。訓練期間は3ヶ月。
- 軍隊生活で協調性や規律正しい生活を学びます。訓練は体力トレーニング、号令による整列や行進などが中心で武器の実習はありません。全寮制の宿舎では親元を離れ自立した生活を経験します。
- 鉄砲を撃ったり、戦闘機を操縦する軍事的(Military)な訓練というより、野外キャンプ実習という意味合いが強い徴兵制です。政府は、こうした徴兵制度を通して国民に国への忠誠心を養おうとしています。
- さて、表題に使っている「Boleh」とはマレー語で「できる」を意味します。「マレーシア・ボレッ!」というのは一種のかけ声で「我々ならできるぞ!」という場合に使います。英語の「Can」と同じ意味です。
- 前首相ドクターマハティール氏が「2020年に先進国の仲間入り」を提唱し、国民が「マレーシア・ボレッ」と応えたり、マレーシア人が国際的な活躍を遂げた場面でよくつかわれる景気の良いコトバです。
- 筆者もこの言葉を使わせていただいています。警察官にキップを切られそうなとき、政府機関で無理難題をいわれ、なんとか見逃して欲しいときに「マレーシア・ボレッ」とささやくと相手の顔がほころびます。
- 写真を撮るときに(上の写真は徴兵期間中の女の子たち)元気で活発な表情を引き出したいときなんかに「チーズ」と声をかけるより百倍効果のあるコトバです。マレーシア人と記念撮影するときにぜひお試し下さい。
マラッカ市内中心部ジャラン・メルデカにて