シーク教徒がマラッカに集結する日
- シーク教(「シク教」も同じ意味)は16世紀初めにインドの北西部パンジャブ地方に起こった宗教。ヒンドゥ教と仏教、イスラム教の流れをくむ比較的新しい宗教で本山はゴールデンテンプル(黄金寺院)です。
- カースト(階級制度)を否定し、人は平等であるべきと説き輪廻転生を基本にしています。輪廻転生とは、人が生まれ変わるということですが、前世を皆さんご存じのカルマと呼んでいます。
- You have Bad karma.「アナタは悪い前世を持っている」というのがジョークで頻繁に使われるほどインド系民族には「輪廻転生」が定着しています。現在の人生が「現世」で過去の人生は「前世」。
- 本人の努力により「現世」は変えられるけど「前世」は変えられません。前世の悪行や愚行を受け継いでしまったら、その人の現世は不幸や災いばかりふりかかる人生を歩まねばなりません。
- 自己努力で変えることのできない悪いカルマを取り除き、癒してくれるヒトがいればと願う方も少なくないでしょう。実は過去にいらしたんです。その名は「Sant Sohan Singh」セント・ソーハン・シン祈祷師。
- セント・ソーハン・シン祈祷師は、1969年にマレーシアのイポーで亡くなりましたがその魂をマラッカのシーク寺院に奉ってあります。存命中、手を触れただけでカルマを読み取ることができ人々は癒されたそうです。
- 師の死後も霊験あらたかなることは不変で、彼の着用していた衣類や靴をさわるだけでもカルマが洗い清められるとシーク教徒は信じています。不幸続きの現世が、彼のチカラで変えられた人もいるそうです。
- 彼の命日に近い週末の金・土・日曜日にはマレーシア全土はもちろん、遠くカナダや欧州やオーストラリアからもシーク教徒がマラッカに集結しセント・ソーハン・シン師に祈りを捧げます。
- シーク教徒のシンボル、ターバンを巻いたインド人男性、カラフルなドレスとスカーフをまとった女性がマラッカにあふれる3日間です。筆者も撮影時、寺院にはいるため教えに従い三角の布で頭を覆いました。
ブキッ・チナ近くにあるシーク教徒寺院にて