ジャックフルーツの解体ショー見聞録
- 世界最大の果実とも呼ばれるジャックフルーツ。大きいモノは長さ80センチ前後、幅が40センチ近くある。当然、ひとりで運べる重さではない。すごく重いのでR。 英語でジャックフルーツ(Jack fruit)と呼ぶがマレー語ではナンカ(Nangka)と呼ぶ。
- マラッカからクルマで北上すること約45分。スンガイウダンを越えたあたりで見かけた道路沿いでジャックフルーツの屋台を発見。ジャックフルーツの解体ショーを披露しながら実演販売していたのでしばし、見物させていただいた。
- 新鮮なジャックフルーツの香りは、ミルキーでスイートながら酸味を感じるフルーティーさを感じる。タマネギの腐った臭いのするモノは、古いものだそうだ。
- この屋台では、まず上下を5センチほど輪切りにして、胴体の真ん中あたりまで包丁を入れる。約90度転がしてもう一度真ん中まで切る。
- エィッと渾身の力で引きはがして、高さ30センチほどのバケツにひっくり返して置く。そうするとジャックフルーツの果実が、裏返される力で花のように開くのだ。
- その瞬間、周囲にブワァ~っとフルーティーな香りが飛散する。ウナギ屋さんが蒲焼きを調理する時に、炭火で焦げたウナギのタレをまき散らす原理と同じ。周囲の客は香りに引きつけられてしまう。合成香料にはない天然の香りの看板だ。
- 写真では確認しづらいが、ジャックフルーツの解体を行うと、白いネバネバの謎の液体が手に付くことがある。石鹸でどれだけ洗っても取れない頑固なネバネバだ。
- 筆者もジャックフルーツ解体ショーの見物をしながら、試食と称して花のように開かせた果実を手でもぎって、ワシワシと食べていたら、白い液体に取り憑かれた。
- お手洗いを探して、洗ってみたが取れない。ティッシュでこそぎ落とそうにもビクともしない。トホホな顔して店の人に泣きを入れたら・・・
- 「あぁ、やっちゃったね。コレを使って手をもみながら洗ってごらん」と手渡されたのは食用椰子油だった。油を使った瞬間にウソのようにネバネバは取れ去った。恐るべし、マレー人の生活の知恵。美味への探求は奥が深い。
- 新鮮なものはミルキーでスイートな香りを放つ。完熟生育するまでに半年はかかるため、鳥獣に狙われることも多く稀少な果物と言えるだろう。大きくて、希少価値のあるジャックフルーツ。フルーツ界の横綱と称したい。
スンガイウガンのジャックフルーツ解体ショー屋台にて