ドリアンとラグビーのワールドカップで南アフリカに勝つ確率論
- ドリアンは食べる人を選ぶという点において、熱帯果実界の王様といえるだろう。品種や保存方法によっては、周囲10mに腐ったタマネギのような臭気を放つ場合もある。強烈な匂いなのでマレーシアのホテルでは例外なく、持ち込みを固く禁じている。
- しかし、完熟して明け方までに自然落下した食べ頃の新鮮なドリアンには臭みはなく、甘くてクリーミーな芳醇な香りを放つ。両極端のドリアンを食べた人にしか理解できないだろうが「同じ果物なのか?」と疑いたくなるほど香りと味を変貌させる。
- マラッカでは、露地物が雨期のはじめに年に2度ほど出回る。それ以外の期間は、タイ王国などからの輸入物が手に入る。シロウトには品定めが出来ないので、信頼できるお店で買うこと、そして店の人に頼るしかない。当たり外れは覚悟しておくべし。
- ドリアン初心者の方なら、香りがマイルドでクリーミーなタイプをリクエストすることを強く推薦する。初回に良品にめぐり会う確率は低い。もしも初めて食べて「美味しい!」と感じたならば、あなたは熱帯果実の王様に認められた幸運の持ち主なのだ。
- えぇ?「ドリアンごときに運を使ったらもったいない」と嘆くあなたは間違いなくシロウトなのだ。初回から美味しさを知って、バクバクとドリアンを食べることは、ラグビーのワールドカップで南アフリカ代表に勝つよりも稀なことなのだ。
- さて、ドリアンを食べたことがある人しか知らない秘密を説明しておこう。ドリアンの外側の突起物は尖っているが、触るとメチャクチャ痛い。ラグビーボールのようにパスされたドリアンを素手でキャッチしたら、100%血まみれになります。
- 美味いドリアンにめぐり会ったら、やっぱり素手で食べるのが正しい。しかしドリアンの匂いが手に残る。石鹸で洗ってもとれない。ドリアンの殻の内側にある白い部分に水道水をくぐらせた水で手を洗うと、あら不思議。匂いは完全に消えてしまうのでR。
- ドリアンの果実は、生クリームよりも堅く、完熟の柿より柔らかい。初心者を卒業したなら、鼻も曲がりそうなクセのあるタイプも食べてみよう。えぇ?「こんな味だったかな~、意外に美味しいやん」と思えたら、あなたも立派なドリアンハンターだ。
ドリアン好きの知人宅のダイニングキッチンにて