スンガイマラッカブリッジから望むマラッカ海峡に沈む夕陽
- 2001年6月18日に完成したスンガイ・マラッカ・ブリッジ(Sungei Melaka Bridge)は、マラッカ・ラヤとコタ・ラクサマナを結ぶ全長450メートルの橋。マラッカ海峡とマラッカ川の吃水域にある。
- 筆者はスンガイ・マラッカ・ブリッジの工事前から、建築中、そして完成の渡り初めを見てきた。当時はハイウェーもなく、マラッカラヤの真ん中あたりは砂利道で豪雨が降ると川のように変貌する荒れ地だった。
- 分不相応にしか見えない、立派な橋の完成だった。その後ハイウェーが開通し、街は変貌した。マラッカラヤは空き地がなくなるほど建物が増え、巨大ショッピングセンター、高層ホテルも相次いでオープンした。
- 2009年にはリンボンガンまで延長されたハイウェーは、マラッカの基幹道路となり交通量は激増。一部では慢性の交通渋滞の名所となってしまった。当然、地価は高騰し新たなる億万長者を産んだ。
- スンガイマラッカブリッジは、マラッカラヤの奇跡を見守ってきた。大航海時代最も繁栄したとされるマラッカ王朝の都は、このマラッカ川(Sungei Melaka)河口域に港を創り東西交易の一翼を担った。
- 一本の橋がマラッカラヤを隆盛させた。マラッカ海峡に沈む夕陽は、14世紀のマラッカ王朝の起源も、植民地支配時代も、マレーシアとして独立し先進国入り間近に発展した奇蹟を見ていたに違いない。
スンガイマラッカ橋にて