「纏足:てんそく」は裕福な家に生まれた女子の象徴だった
- ニョニャビーズサンダルで脚光を浴びているマラッカの"Wah Aik Shoemaker"。お店の一角に10㎝ほどの小さな靴が飾ってある。"Bounded shoes"と綴り、バウンデッドシューズと発音する。店主のMr. Yeo氏の手作りなのだ。
- 若い世代の方には馴染みのない単語かもしれない。漢字で「纏足」と書いて「てんそく」と読む。昔の中国で、女性の足を幼少の頃からきつく縛って発育を停め、大人になっても小さな足を淑女の嗜みとした習慣があったのだ。
- すべての女性が、纏足されたわけではないらしい。纏足してしまうと普通に歩行できなくなるため、身の回りの世話をしてくれるお手伝いさんが住み込んでいるような上流階級のお嬢様たちがその対象とされていた。
- 唐の末期に始まった纏足の習慣は、清朝末期の辛亥革命が終結する20世紀初頭まで続いたそうだ。マラッカにも、纏足で足を小さく固めた中国系移民女性がいた。さすがの筆者もご本人にお目にかかったことはないが写真で拝見したことがある。
- 中国大陸では、辛亥革命後に第二次世界大戦、戦後は共産革命の文化大革命により、過去のブルジョア達は弾劾の的とされ、纏足の靴を作る技術も含め、纏足の女性達についても、歴史上なかったことになりつつある。
- しかし、マラッカに移民してきた靴職人は華僑として生き延びたため、共産革命の影響は受けていない。そして、店主のMr. Yeoさんは昔ながらの纏足の靴を手作りで復元し、痛い歴史も含めて後生に伝えてくれているのでR。
ニョニャビーズサンダルでお馴染みの"Wah Aik Shoemaker"にて
- ビーズサンダルのお店
Wah Aik Shoemaker (ワー・アイク・シューメーカー) No.56, Jalan Tokong, 75200 Melaka, Malaysia.2016年に移転のため引っ越しました。電話番号は同じです。- 住所 92, Jalan Tun Tan Cheng Lock, Melaka Malaysia
- 電話 06-284-9726 Mr. Raymond Yeo レイモンド・ヨーさん