養鶏場のニワトリが作る循環型堆肥システムと新鮮なタマゴ
- マラッカ市内中心部から、旧道の5号線を北上して8.5kmの農村部にある養鶏場。菓子店を経営している知人がタマゴを仕入れ行くとのことなので同行させてもらった。商店や住宅街が並ぶ5号線を右折、市道に入ったあたりから景色は緑一色に変わってきた。
- 通行量の多い市道から、看板も標識もない枝道に左折すると草木の生い茂るジャングルに侵入することとなった。片側通行の橋でスンガイ・マラッカ川を渡り、最初のTジャンクションを左折すると、そこは果樹農園だった。
- 広大な果樹園にはドリアンが広めの等間隔に植えられており、雨期の到来を待ちかねたように小さなドリアンを実らせていた。あと3~4週間ほどで完熟期を迎え出荷できそうな雰囲気だった。マラッカ産の露地物は、貴重なドリアンとして珍重されている。
- 果樹園を抜けると、目的の養鶏場がある。すべてを見廻ったわけじゃないが、広大すぎる敷地には見渡す限りのニワトリが与えられた使命を果たしていた。産卵したタマゴは半自動的に回収棚に落ちてくる。それらを集めて選別してパックされ出荷を待つ。
- 侵入者や、ニワトリを狙ってやってくる野生動物を監視警備している雑種のいかつい番犬が数匹いるが仕入れに来たお客さんには、愛想がよい。菓子屋のようにタマゴを大量消費する顧客は、養鶏場から買い付けるのがマラッカ流の商慣習なのだ。
- タマゴを消費する菓子店側からしてみれば、新鮮なタマゴ(品質)を安価に買うことが出来る。養鶏者側からしてみれば、多くの販路を確保することになるため販売増減に於けるロス、販売の機会損失が最小限に抑えることが出来るのだろう。
- さて、養鶏場から排出されるニワトリの糞尿は、隣接されている果樹園でオーガニックな堆肥となっている。ドリアン、マンゴスチン、パパイヤ、マンゴー、バナナ、ランブータンが肥沃な堆肥で育てられている。循環型の自然リサイクルといえるだろう。
プラウ・ガドンにある養鶏場にて