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マラッカの交通アクセスに関する辛口コメント

マラッカの交通アクセスに関する辛口コメント

マラッカは、マレーシア最古の都として外国人観光客はもちろん、マレーシア国内からも年間700万人を越える観光客が押し寄せてくる人気の街です。しかし!交通アクセスや観光資源の環境インフラ整備はとっても遅れているように筆者は思います。以下、筆者の主観による毒系コメントをまとめました。

空港整備・鉄道駅・高速道路アクセスなど致命的インフラ環境

KLIAをはじめ、ランカウイ島やペナン島には設備の整った国際空港が完備されています。日本からも直接飛行機が乗り入れアプローチできる体制が整っています。マラッカにも空港がありますが、ペナン島およびインドネシアのスマトラ島パカンバルなどに定期便を持つぐらいです。

最寄りの空港はKLIA(乗用車利用で2時間、バスで3時間)を利用するしかありません。KLからシンガポールまで高速鉄道が敷設される計画もありますが、マラッカはその途中駅の候補にも挙がっていません。

わかりにくい高速道路からタウンまでの道のり

マレー半島を南北に走る高速道路(最寄りの出入り口はアイルケローインターチェンジ)を降りてからマラッカ市内まで30分程度かかり、その途中の道は複雑に曲がりくねって市内へ誘導する看板も、道に慣れるまで一苦労してしまうお粗末な標識しかありません。

西海岸のリゾート観光地「ポートディクソン」なら、南北高速道路のセレンバン第二出口を出て別料金の高速道路を10分ちょっと走ると海岸沿いのリゾートエリアまで迷うことなくたどり着けます。観光客にはうれしいアクセス道路といえるでしょう。マラッカには・・・ないんです。

車優先社会なのに貧弱な駐車場

マラッカの観光名所の周辺の駐車場はほとんど無いに等しい状態です。マラッカ定番の観光名所スタダイス広場にも駐車場が3ヶ所ありましたが、そのひとつは駐車場を撤去して、オープンカフェになってしまいました。残る2ヶ所の駐車場、クライストチャーチすぐ横の駐車場は常に満車状態。

無難に止められる最後の駐車場は、スタダイス広場を通り越してすぐ左折、もう一度すぐ左折して丘を登ります。結構広い駐車場なので車が止めやすいのですが、残念ながら誘導する看板がないため、知ってる人しか利用できず、土地勘のない観光客は場所がわからず皆さんマイカーの駐車に困っています。

トイレットペーパーのない公衆トイレ

観光の途中トイレを借りたくなって公衆便所が見あたりません。やっと見つけたトイレにもトイレットペーパーすらついていません。マレーシアに住む現地の人たちはトイレで用を足したあとトイレットペーパーを使わず、水で洗い清めるという生活習慣だからしかたないのかもしれません。

しかし、外国人観光客が利用する観光名所近くのトイレには国際スタンダードを要求したくなります。ウォシュレットのついた便器まで要求しませんが、有料でも良いですからせめてティッシュペーパーやトイレットペーパーを備え付けていただきたいと思います。

料金メーターのない流しのタクシー

年間700万人もの観光客が押し寄せるマラッカですが不思議なことに街を流しているタクシーは極端に少なくつかまえるの一苦労します。やっと乗れてもメーターがついていなくて運転手の気分次第。その料金はKLやJBの2~3倍請求されます。

ホンモノのタクシーと白タクの見分け方はナンバープレートを見れば一目瞭然。タクシーのプレートは白地に黒い文字。白タクや自家用車は黒地に白い文字です。犯罪に巻き込まれたりする危険性はほとんどありませんが、万が一の事故の際保険が効かないケースが多いため白タクの利用はオススメできません。

2004年に行政指導のおかげで画期的なメーター付きタクシーが30台ほどデビューしました。国内のマスコミ、一部の海外メディアも大きく取り上げたニュースになりました。しかし、タクシー運転手さんたちの不評を買い2005年5月現在料金メーターを稼働させている良心的なタクシードライバーはゼロ。交渉制に戻ってしまっています。(^^;)

顧客満足度の向上を気にせずとも押し寄せる観光客?

こういう観光インフラ整備の投資をしなくても、世界遺産の認定を受けたマラッカには年間700万人を越える国内外の観光客がひっきりなしに訪問してくれるからCS(Customer Satisfaction)の向上などは夢のまた夢、顧客満足度そのものの観点が欠けているのだと思います。

現状に甘んじていては、やがて顧客に見放されてしまう予感がしてなりません。日本でも今のように海外旅行が一般的になる前、週末には旅行者であふれかえっていた日本の観光名所や温泉街。

時代に見放されあわてて閑古鳥が鳴いてから観光客誘致のためにインフラ整備を見直したり、サービス向上を掲げている海水浴場やスキー場、温泉旅館などが過去にたどってきた栄光の瞬間、まさにマラッカの今がその時期に当てはまると筆者は思います。

観光客に見放されて閑古鳥が鳴いてからあわてて整備するんじゃなく、観光客が週末や休暇時期に押しかけてくるこの忙しい時期にこそ歩道や横断歩道、信号の整備、公衆トイレの設置と保守清掃をしていただきたい!というのが筆者の所感です。(初版 2006年10月制作)